ネオテニー・ジャパン-高橋コレクション
美術館のコレクションが優れた個人コレクションの域に到達できないのはシステムの問題なのではないか、ということはこのOMPで考えてみたいことのひとつだ。現在、上野の森美術館で行われている「ネオテニー・ジャパン-高橋コレクション」を見て、あらためてその思いを強くした。精神科医の高橋龍太郎氏によるコレクションの優れている点はいくつもあるのだが、作家初期の優れた作品を逃さないこと、一人の作家の複数の作品を購入していること、同時に思い入れのある作家は何人かいるとしても、それでも特定の作家に偏りすぎず、常に新しい才能を見つけようとする姿勢を保っていることなど、ひじょうに大切なことばかりなのだが、おいそれと真似をできるものではない。オープニングも作家や個人コレクターの方々などゲストたちが喜々としているのが印象的で、ちょっと美術館とは違った雰囲気があった。これも高橋氏の作家を応援する姿勢が相互の信頼となっているのだろうと感じた。(関)